年末駆け込みのふるさと納税はここに注意!
毎年12月になると、駆け込みでふるさと納税(自治体への寄附)をされる方が多くいらっしゃいます。令和6年分の所得税と翌年度の住民税の控除対象とするには、次の期日を意識しましょう。
〇本年12月31日(火)までに入金完了していることが必要
ふるさと納税は「自治体への入金日」が寄附日になります。クレジットカードや二次元コード決済などの場合は、決済日が寄附日になるため12月31日の寄附でも原則として年内の寄附となります。コンビニ払い、Pay-easy(ペイジー)、銀行振込、納付書払いなどの場合は、入金日がずれることがあります。
〇「ワンストップ特例」の申請は令和7年1月10日(金)まで
ワンストップ特例の申請書は、寄附先の自治体に令和7年1月10日(金)までに届いていることが必要です。申請書は自治体から郵送されますが、ふるさと納税を取り扱う各ポータルサイト等からもダウンロードが可能ですので、年末間際はこちらが便利です。また、一部の自治体では、マイナンバーカードを利用したオンラインによる申請も可能となっています。
寄附先自治体が5か所を超えた方、住宅ローン控除(初年度)を受ける方、医療費控除を受ける方――などは、ワンストップ特例を利用できません。確定申告において寄附金控除を申告しましょう。
年内にふるさと納税を予定されている方は、できるだけ早めに、余裕を持って行うようにしましょう。
令和6年11月12日
11月3日は「文化の日」
芸術の秋を堪能しよう
11月3日は「文化の日」です。「国民の祝日に関する法律」(昭和23年法律第178号:祝日法)第2条によれば、「文化の日」とは「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日とされています。
もともと、11月3日は明治天皇の誕生日であり、祝日の「明治節」として国民の休日とされていました。昭和21年の日本国憲法公布に伴い憲法記念日となるはずでしたが、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の意向も働き、憲法公布から半年後の5月3日が憲法記念日に。そこで、祝日となる予定だった「11月3日」の扱いについて議論され、憲法の精神に基づき、「自由と平和」が強調された「文化の日」とされることとなりました。
「文化の日」には、皇居で文化勲章の親授式が行われます。また、多くの博物館や美術館、文化施設などの入場料が無料になる日でもあり、文化や芸術を気軽に楽しむことができます。
芸術の秋です。忙しい日常から少し離れて、気分転換や新たなヒントを得るために、さまざまな文化・芸術に触れてみてはいかがでしょうか。
令和6年10月28日
正しく理解してしっかり行動! 災害時の「警戒レベル」
夏から秋にかけて、風水害が発生しやすい時期が続きます。ニュースなどでよく耳にする「避難指示」等の「警戒レベル」について正しく理解して、いざという時にも慌てずに行動できるよう備えておきましょう。
現在、自治体や気象庁等から発令される「警戒レベル」には5段階があり、「警戒レベル4」までに、危険な場所から必ず避難することが求められています。
■「警戒レベル」一覧表
警戒レベル |
状況 |
行動を促す情報 |
とるべき行動 |
5 |
災害発生または切迫 |
緊急安全確保 |
命の危険 直ちに安全確保! |
4 |
災害のおそれ高い |
避難指示 |
危険な場所から全員避難 |
3 |
災害のおそれあり |
高齢者等避難 |
危険な場所から高齢者等は避難 |
2 |
気象状況悪化 |
大雨・洪水・高潮注意報(気象庁) |
自らの避難行動を確認 |
1 |
気象状況悪化のおそれ |
早期注意情報(気象庁) |
災害への心構えを高める |
(災害対策基本法「避難情報に関するガイドライン」を基に作成)
「警戒レベル」は、テレビやラジオ、市町村防災行政無線、緊急速報メール、X(旧Twitter)等のSNS等で発信されます。悪天候が予想されている時や災害時には、できるだけこまめにこれらの情報をチェックするようにしましょう。
また、日頃から、最寄りの避難場所を確認したり、非常食や救急セット等、避難時に持参するものを備蓄したりすることも重要です。社員の命を守ることにもつながります。
令和6年10月2日
定額減税でどうなる?
住宅ローン控除、ふるさと納税
所得税・住民税の定額減税が実施されました。これにより、住宅ローン控除の適用を受けている人は「控除額が減るのではないか」、ふるさと納税を行う人は「控除上限額が下がってしまうのか」と心配されているかもしれません。
住宅ローン控除は、本来の所得税額から控除額を差し引いた後に定額減税分が控除されるため、住宅ローン控除の控除額が減ることはありません。
ふるさと納税は、控除上限額の算定基礎となる令和6年度分の住民税の所得割額は定額減税分を控除する前の所得割額となるため、控除上限額に影響はありません。
どちらも、「定額減税による影響はない」というのが結論となります。
■ふるさと納税のルール変更へ
寄附金額に応じて、返礼品とは別に商品等と交換できる独自ポイントを付与する、ふるさと納税のポータルサイト(仲介サイト)があります。総務省は、令和7年10月から、そうした仲介サイトを通じて自治体が寄附を募ることを禁止する方針を示しました。これにより、仲介サイトが独自のポイントを付与することが事実上できなくなります(利用者がクレジットカード決済で支払った際にカード会社が付与するポイントは、通常の商取引に伴うものであるためルールの対象外)。
令和6年9月3日
いまさら聞けない消費税
――非課税取引、不課税取引、免税取引の違いに注意
インボイス制度導入からもうすぐ1年。インボイスの取り扱いにも慣れてきた頃と思われますが、消費税の取引区分(非課税取引、不課税取引、免税取引)について迷うことも多いのではないでしょうか。取引区分は、仕入税額控除や課税売上割合の計算に影響します。あらためて確認しておきましょう。
①非課税取引(消費税が課税されない取引)
消費税は本来、国内における商品の販売やサービスの提供等に対してかかる税金です。ただし、その性質になじまないものや社会政策的配慮から、消費税が課税されない取引が非課税取引です。
例えば、土地の譲渡や貸付(地代)、住宅の貸付(家賃)、貸付金・預貯金の利子、切手・印紙・証紙の譲渡(金券ショップでの購入を除く)などが該当します。非課税取引のために行った課税仕入れについては、原則としてその仕入れにかかる消費税額を控除することはできません。
②不課税取引(消費税の課税対象とならない取引)
国外で行われる取引や、寄附・贈与など事業として対価を得ることにならない取引です。例えば、給与・賞与の支払い、冠婚葬祭事の祝い金・見舞金・香典、寄附金、株式配当、受取保険金などが該当します。
③免税取引(本来は課税取引だが税率を0%として消費税が免除されている取引)
輸出売上などが該当します。免税取引のために行った課税仕入れについては、原則としてその仕入れにかかる消費税額を控除することができます(輸出証明書の保管など、一定の要件があります)。
令和6年8月20日
「世界アスリート長者番付」 大谷翔平が世界13位にランクイン
5月16日、米経済誌『フォーブス』が「世界アスリート長者番付」を発表しました。これは2024年5月1日までの12カ月間で、多額の収入を稼いだスポーツ選手のトップ50のランキングです。それによると、米ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が8530万ドル(約132億2000万円/1ドル=155円で換算)で13位にランクイン。大リーグ史上最高額を記録した去年の収入(6500万ドル/約100億円)を大幅に更新し、2年連続で野球界トップに君臨しています。内訳は、野球での収入が2530万ドル(約39億2000万円)、スポンサーから得る副収入が6000万ドル(約93億円)とのことで、「本業」(野球)の倍以上を副収入が稼ぎ出している計算。これでは、どちらが「副収入」かわからなくなってきそうです。
本業よりも副収入が上回る大谷選手のようなケースは、一般市民ではあまりないと思われますが、副収入の代表格である「不動産収入」に加えて、近年はSNSからの広告収入やフリマアプリでの収入、副業による収入など、その方法も多様化しています。
副収入に関する所得の区分は、大まかに分けると①給与所得(アルバイト等で得た収入)②事業所得(事業を営む人がその事業で得た収入)③不動産所得(不動産による収入)④雑所得(年金、原稿料、シェアリングエコノミー等に係る収入)⑤一時所得(臨時的な収入)――
等があります。確定申告が必要なケースもありますので、副収入を得た場合や、該当する従業員がいる場合には、当事務所までご相談ください。
令和6年8月2日
地方自治体の財源確保の新モデル? 「宮島訪問税」
令和5年10月1日から、広島県廿日市市で、日本三景の1つ「宮島」を訪れる人に対する「宮島訪問税」の徴収が始まりました。来訪者は、1回訪問するごとに100円、フェリーの運賃や桟橋の利用料に上乗せするかたちで支払います。宮島の住民や事業所・学校に通う人の他、未就学児や修学旅行生等は課税対象外。令和6年度は約3億5,000万円の税収が見込まれており、島内のトイレや休憩スペースの整備、ごみ処理費用等に充てられます。
宮島には世界遺産の厳島神社があり、国内外から多くの観光客が訪れます。その数は島民の数千倍に及ぶとも。そこで、来訪者の増加によって増える行政サービスの一部を来訪者に負担してもらい、持続可能な観光地を実現させよう―との「原因者課税」の考え方をもとに、宮島訪問税は設計・導入されました。
訪問者を課税対象とする税としては宿泊税が挙げられますが、多くの場合、宿泊税の使途(目的)は観光振興に限定されています。その点、宮島訪問税は、行政サービス全般に充当することができる仕組みになっているのが大きな特徴です。
このような取り組みの背景には、人口減少や地方交付税交付金の大幅削減による、地方自治体の慢性的な財源不足が挙げられます。「訪問税」は、観光や保養、参拝等で来訪する人々が多い自治体にとっては有益な考え方でしょう。この宮島訪問税をモデルとして、観光需要を税収につなげる取り組みが今後広がっていくかもしれません。
令和6年7月10日
加藤会計事務所 事務所案内より
※本コラムは旬刊で、時折のテーマを提供してまいります。ご期待ください。